パワポとカッティングマシン(シルエットポートレート3)で、かわいい2色サインプレートを作ってみます。
今回作るプレートは、プラ板⇒黄色カッティングシート⇒カットした黒カッティングシートを貼り付けて2色で作ります。
記事としてボリュームがあるので2部構成とします。
1部目(前回記事)、【パワポでデザイン画をつくる方法】。
今回の記事は、2部目【カッティングマシンを使ってカット、貼付け方法】です。
カッティングマシンの【シルエットポートレート】は、3万円弱の低価格機で、本記事内では【シルエットポートレート3】ですが、最新機種は、【シルエットポートレート4】です。使い方は似ているので、購入を検討されている方は、参考になると思います。
使うソフトは、無料の【シルエットスタジオ5】(2025年5月21日ダウンロード開始)で説明します。
◆この記事で分かること
- カッティングマシン用ソフト【シルエットスタジオ5】の使い方
- カッティングマシン【シルエットポートレート】の使い方
- カッティングシートの貼り合わせ方法
制作の流れ
パワポとカッティングマシン(シルエットポートレート3)で、かわいい2色サインプレートを作ってみます。 今回作るプレートは、プラ板⇒カッティングシート(黄色)⇒カットしたカッティングシート(黒)を貼り付けて2[…]
- パワポでデザイン画をつくる
- jpeg形式で保存
- 試し切りでカット条件を決める
- シルエットスタジオ5でjpeg画像を読み込む
- シルエットスタジオ5の【トレース機能】でカットラインを作る
- シルエットポートレートでカットする
- カットしたシートの不要部をはがす(ちょっと難しい)
- アプリケーションシート(透明シールシート)を上から貼りつけ
- 貼付け対象物に位置合わせをして、貼付け(だいぶ難しい)
- アプリケーションシートをはがす
- トップコート(クリア塗装)を吹き付け
- 完成!
この記事では、③シルエットスタジオ5で、試し切りをするところから、貼り付け完成までを紹介します。
カッティングマシンをお持ちで無い方は、こちら↓をご検討ください。カッティングシート付きがオススメ!
シルエットスタジオ5について
シルエットスタジオ5の使い方
ソフト起動
起動すると、どこかのwebページを開いたような感じになります。↓
右上の【デザイン】タブをクリックします。
同じく右上の【スターターモード】を【オフ】にしましょう。
※【オン】にすると、アイコンが大きくなりますが、ノートPCなどの画面では、メニューが表示しきれなくなります。
画像編集ソフトっぽい画面になります。
A4の白地に赤枠があります。
この赤枠の内側がカット可能範囲になります。
右上の【ページ設定パネル】をクリックすると、現状の設定が見れるとともに、変更もできます。
カッティングマシンとPCを接続
ここで、カッティングマシンをPCを付属のUSBケーブルでつなぎます。
つないだら、カッティングマシンの電源をONにします。
シルエットスタジオの右上メニュー【送信】タブをクリック。
その下の【標準】をクリックします。
シルエットスタジオがカッティングマシンを認識します。
試し切りでカット条件を決める
先の【送信】タブの中程に、プルダウンでカットする【素材】を選ぶところがあります。
これを選ぶことにより、刃出し量、カット圧、速度などの【組み合わせ設定値】を呼び出すことができます。
今回のカット材料は、カッティングシートです。
塩ビのシートの裏面に、粘着剤がついており、その裏は剥離紙です。
この場合、カットは、塩ビシートのみで、剥離紙はカットしない設定になります。
今回使用する材料に合わせたカット条件を一例として紹介します。
◆材料
項目 | 仕様 |
---|---|
材料 | 塩化ビニール |
シート厚み | 0.08mm |
剥離紙含めた総厚み | 0.24mm |
上記仕様は以下の専用カッティングシートのものです。
この材料にあったカット条件として、【ステッカー、ホワイト、インクジェット用】を選定しました。
シート厚み0.1mm以下は、刃出し量が【1】で良いのですが、確実に切れて欲しいという、カット性を重視して、刃出し量が【2】になっている条件を選んでいます。
◆カット条件(オートブレード使用)
項目 | 条件 |
---|---|
カットジョブの設定(プルダウンから選択) | ステッカー、ホワイト、インクジェット用 |
刃出し量(1~10) | 2 |
カット圧(1~33) | 14 |
速度(1~10) | 8 |
パス(1~10) | 1 |
【刃出し量】
カッティングシートの場合、剥離紙の上に粘着剤付きの塩ビシートがのった状態になっています。
カットは、塩ビシートの部分のみで、剥離紙には少しカット跡が付く感じにするのが良いとされています。
設定値【2】だと、塩ビシート部厚み0.08mmをカットして、裏の剥離紙にカット跡が付く状態になります。【カット圧】
どのくらいの力で、刃を材料に押しつけるか?という項目で、材料の硬さによってかえます。
設定値は【14】です。
最小値の【1】だと、剥離紙側にカット跡が付かず、はがす時に、完全に切れていない部分が出る時があります。
最大値の【33】だと、剥離紙側にカット跡が深く入り、はがす時に、剥離紙も破れてしまうので、はがしにくくなります。
設定値の【14】だと、刃出し量2と合わせて、剥離紙に少しカット跡が付く感じになります。
【速度】
設定値は【8】です。かなり速いです。
細かい模様がある場合、遅い方がきれいに切れますので【2】に変更してます。
【2】でもじゅうぶん速いので、ストレスは感じません。
【パス】
硬い材料や、厚い材料は、カッターで切る際に、何度もこすって切ると思います。
同じ考え方なのですが、カッティングシートの場合は、1回切り(1パス)で問題ないです。
逆に何度もなぞると、細かい模様があった場合に、刃にくっついて、はがれてしまうことがあります。
試し切り(テストカット)
まず、カッティングシートをマシンにセットします。
カッティングシート幅にあった位置に合わせてセットしますが、良く分からない時は、両側の白いローラーに均等にかみ合う位置にセットして、送りボタンを押します。
※この時、両側のローラーに均等な力で押しつける感じでシートを押さえて、送りボタンを押してください。そうしないと、斜めに入ってしまうことがあります。
次に、シルエットスタジオの下の方に、【テスト形状を生成】というボタンがあるので、押します。
すると、左のカット画面に、テスト形状(正方形の中に正三角形)が出ます。
位置は移動可能です。(マウスでクリック&ドラック)
右下の【テストを送信】を押すと、テストカットが開始します。
カットが終了したら、シートをはがして、カット具合を確認します。
四角と三角が分離し、剥離紙側にカット跡が残り、剥離紙は切れていない状態になっていればOKです。
ローラーの跡が付くことも、覚えておいてください。
デザイン画像を配置する時は、この付近を避けた方が良いです。
刃出し量は、カッティングシートの場合、【1】か【2】で切れるはずなので、不具合があったときの調整は、カット圧を【10】ずつ振ってみるのがオススメです。
- 四角と三角が分離しない:カット圧を【10】上げてみる。
- 剥離紙まで切れてしまう:カット圧を【10】下げてみる。
◆具体的な手順
カット圧を変更したら、テスト形状を右にマウスでずらします。(同じ所をカットしないようにずらす)
カッティングシートを再度セットして、【テストを送信】を押します。
テストカットが終了したら、【テスト形状を削除】を押して、テスト形状を消します。
◆設定値を変えた場合
設定値を変えた場合は、【名前を付けて保存】をクリックして、保存しましょう。
ファイルを開く
右上のメニューで【デザイン】をクリックします。
つぎに、左上の【開く】アイコンをクリックし、事前に用意した【jpeg画像ファイル】を開きます。
画像は左上に表示されるので、赤枠の中に入れましょう。
※ローラーの跡がつくので、ローラーが通るところより、内側に入れた方が良いです。
※テストカットした部分も避ける必要があります。
画像をクリックすると、周囲に【□がついた枠】がでで、【寸法】がでます。この状態で、大きさの【拡大縮小】が可能です。
上のメニューバーに数字を入れると、切りの良い寸法にできます。
(W:横寸法、H:縦寸法)
横にある【鍵マーク】は、縦横比固定の鍵で、ロック状態では、メニューバーに数字を入れると、縦横比を保って拡大縮小されます。(クリックするとロックを外すことも可能)

カットラインを作る
カットラインは、デザイン画像の色の差をソフト(シルエットスタジオ)が輪郭と判断して、自動的に作る、
【トレース機能】を使います。
左側メニューの【トレースパネル】をクリックすると、ウインドウが出てきます。
【トレースエリアの選択】をクリックして、デザイン画像を【かこう】ように選択します。
選択後、右側ウインドウ内下の【トレース】をクリック。これでカットラインができました。
確認の為に、デザイン画像をわきに移動してみましょう。
クリックしてからずらすと、移動することができます。
赤線のみの部分が、カットラインになります。
(カットラインも位置を移動することができます。)
デザイン画像は以降の行程では不要なので、選択してDaleteキーで消しておきましょう。
ここで、上のメニューバーにある⊕ボタンでカットラインを拡大してみます。
細かい粒状の切り抜きがあります。
また、拡大してみると、つながっていない線もあるようです。
手書き風のイラストの場合、このような極小の切り抜きラインができますが、うまくはがせないので、消しましょう。
消し方は、左側のメニューに【消しゴム】があるので、クリックすると、青いマーカーがでます。
これでクリックすると、消すことができます。
消し終わった状態↓
カットする
カッティングシートをマシンにセットします。
シルエットスタジオは、右上メニューの【送信】タブをクリック。
右下の【送信】を押すと、カットが始まります。
仕上がりはこんな感じです。
貼付け
①不要部分をはがす。(ちょっと気をつかう作業)
②転写シート(アプリケーションシート)を上から貼る。
③対象物に貼り付ける。(だいぶ気をつかう難関作業)
不要部分をはがす
もとのデザイン画を見ながら、不要になる部分をピンセットではがしていきます。
今回は、黒い部分が残るので、黄色になるべきところをはがします。
はがしていくと分かるのですが・・・
裏面の剥離紙と、カッティングシートは、とても剥がれやすいです。
なので、剥離紙側に残したい【細かい形状の部分】は、切れていても、カッティングシートと一緒にはがれてしまいます。
先の細いピンセットで押さえながらはがしますが、一緒にはがれてしまうこともしばしば・・・
はがれてしまった場合は、あわてず、ピンセットではがれた部分をカッティングシートから切り離し、もとの剥離紙上に戻します。
つま楊枝などを使うと、剥離紙にのせやすいです。
今回は、【ほ】と【る】の丸の中の黒い部分と、太陽の【かがやき部】がはがしにくかったですね。
不要部分をはがして、残る部分が小さいと、完成品の状態でも、その部分の粘着面積が小さいので、はがれが懸念されます。(最後にトップコートでおおいますが・・・)
画像をつくるデザイン段階で、はがすときに残る部分を、できるだけ大きくすると良いです・・・
転写シートを貼る
転写シート(アプリケーションシート)とは、透明なカッティングシートです。
カットしたものの上から貼り、対象物に貼るまでの【橋渡し】を担当します。
必要な部分だけが剥離紙に残った状態で、上からアプリケーションシートを貼り付けます。
ここは、転写用なので、あまり神経質にならなくて大丈夫です。
多少のゴミや気泡が入っても、はがしてしまうので問題ありません。
剥離紙をすこしめくって、位置合わせをしたら、一気に貼り付けます。
対象物に貼り付け
トップコートで仕上げ
【水性】の塗料を使っています。
【油性】や【ラッカー系】と記載されたものは、耐候性は良いのですが、溶剤が強力で、カッティングシートの側面から染み込み、めくれを起こす懸念があります。
避けた方が良いです。
【水性】でも事前に、別のもにカッティングシートを貼り付けて、吹き付けても、めくれてこないことを確認してから、使ってください。