一眼レフカメラでブログ用の素材写真を撮っていると、もっと近寄りたいと思うことが多々あります。
マイクロレンズ(マクロレンズ)が欲しくなるのですが、残念ながら高価なマイクロレンズを買う余裕はありません。
半ば諦めていたところ、クローズアップレンズの存在を思い出しました。
買って見たら、とてもコスパが良く、素晴らしく面白いレンズなので、紹介します。
◆この記事で分かること
- クローズアップレンズはコスパ抜群!3,000円でおつりがくる。
- ズーム全域で、劇的に寄れる。
最短撮影距離 1.1m⇒レンズ先端から0.24m※
(※55-200mmズームの場合) - 背景ボケがすごい!
コスパが良すぎる
なんと言っても、コスパが良すぎます。
ニコン純正のレンズと比較してみます。
ニコンのマイクロレンズで一番お手頃なのが、Micro NIKKOR 40mm f/2.8Gです。
販売価格が、23,000円くらい。(2020年11月時点)
対して、クローズアップレンズNo.3が2,300円くらい。
ちょうど10倍違います。
ちなみにクローズアップレンズは、No.1、No.2、No.3、No.4、No.5、No.10と6種あり、数値が多きほど、近くに寄れます。
また、購入時には、取り付けるレンズのフィルター径(レンズキャップが付く部分の径)を確認することが必要です。
レンズキャップの裏に刻印されている場合があります。
無い場合は、取説やwebの仕様欄を確認しましょう。
主要な径ごとに、上記6種類がラインナップされています。
安くても質感は良い
はっきり言って、安っぽさはありません。
最近は安かろう悪かろうな製品が少なくなりましたね。
アルミのリングにガラスの凸レンズ、アルミのリング止め枠で固定されています。
側面にMade in Japanの文字。
手持ちのズームレンズに合わせる為、フィルター径52mmです。
重さは実測で18.5gでした。
レンズへの取り付けネジ嵌合もしっくり止まります。
どのくらい近接出来るのか?
実際にどの程度近接出来るのか、試してみます。
最短距離撮影の実写イメージ
以下の組み合わせでの最短撮影です。
- ズームレンズ:AF-S DX VR Zoom-Nikkor 55-200mm f/4-5.6G IF ED
- クローズアップレンズ:MCクローズアップレンズNEO No.3
望遠端 f=200mm(35mm換算300mm)
最短撮影距離算出方法
ケンコー・トキナーのサイトで、計算方法が出ていますので、参考までにリンクを貼っておきます。
<最短撮影距離算出>左のリンク、ケンコー・トキナーホームページ中程にあります。
ちなみに、今回の撮影の状態を計算すると、レンズ先端から0.25m(253.8mm)が最短撮影距離です。
上の写真の状態を測定すると、約0.24m ほぼ合ってました。
撮影したい物の距離をイメージして、クローズアップレンズを選びましょう。
レンズFNo.が変わらないのも良い
クローズアップレンズは、取り付けるレンズのFNo.が変わりません。
通常何かレンズにつけると、FNo.は暗くなりますが、変わりませんので、露出に影響がありません。
屋外の花など、風で揺れて、被写体ブレが起きやすいシーンなど、速いシャッター速度を使いたい時、有利ですね。
マイクロレンズに無い長所
お値段が10倍高いマイクロレンズに無い長所があります。
ズーム全域で近接撮影が可能
ズームレンズに取り付けて使いますが、ズーム全域で近接撮影が可能です。
つまり、近接撮影なのに、画角が変えられるのです。
マイクロレンズは単焦点なので、画角が1つです。
一方、D3200ダブルズームレンズキットの2種のレンズは、共にフィルター径が52mmなので、クローズアップレンズはどちらにも取り付け可能です。
なので、広角18mmから望遠200mmまでのズーム全域で、近接撮影が可能になります。
これはすごい長所だと思います。
広角端 f=18mm(35mm換算27mm)
↓望遠ズーム55-200mmにクローズアップレンズをつけて、カメラ位置を変えずに広角側55mmと望遠側200mmで撮影。
長所が活かされる撮影シーンは?
三脚に固定して、小物に寄って撮る時、この長所が活かされます。
小物に寄って撮る場合は、ぶれ防止の為に三脚を使います。
通常、単焦点のマイクロレンズで撮る場合は、画角が固定なので、撮影時にはカメラを動かして、フレミングを調整します。
ズームレンズ+クローズアップレンズの場合は、ある程度の位置に決めたら、ズーミングで画角を変えることが可能です。
- 微妙に画角を変えたい。
- 画角違いを複数撮影してみる。
などが、簡単に可能です。
これはかなり便利です。
単焦点マイクロレンズよりも、表現力が高いですね。
背景ボケがすごい!
被写体の近くによると、ピントの合う範囲が奥行き方向に狭くなり、背景がボケやすくなりますが、クローズアップレンズでは非常に顕著になります。
背景がボケると、ピントが合った部分が強調され、印象的な写真になります。
背景ボケを大きくするには
背景ボケを大きくする具体的な撮影方法は、
- 被写体に出来るだけ接近する。
- しぼり優先モード(A)で撮影する。
- しぼりを開放(設定できる一番小さい値F4など)に設定する。
- 背景は遠景にする。
これで、ボケが大きくなります。
逆に背景ボケを小さくするには
上にあげたシーサーなどの小物を撮る場合は、ピントの合う範囲(奥行き方向)が狭すぎると、なんだか分かりにくい写真になる時があります。
こんな時は、ピントの合う範囲(奥行き方向)を深くする為に、絞りをF16など大きい値に設定します。
シャッター速度が極端に遅くなるので、三脚は必須です。
合わせてセルフタイマーで撮影すると、ブレが出ません。
風で被写体が揺れるシーンには向きません。
室内の小物撮りの時に、お試し下さい。
注意点
ここで注意点を2つ。
単焦点マイクロレンズと異なる点
マイクロレンズは、遠方から近接までどこでもピントが合います。ピントを合わせるレンズの移動量が多いからです。
クローズアップレンズをつけたレンズは、ピントが合う範囲が近接側にシフトします。
遠景にはピントが合いません。
ピントが合う範囲は、近接側に限られます。
以下は、最短撮影距離が50cmのレンズに、6種あるクローズアップレンズをつけた場合の撮影距離の目安です。
※取説から抜粋
種類 | 撮影距離(目安) |
No.1 | 約33~100cm |
No.2 | 約25~50cm |
No.3 | 約20~33cm |
No.4 | 約17~25cm |
No.5 | 約14~20cm |
No.10 | 約8~10cm |
ズームレンズ(55-200mm)にNo.3をつけた時の実測は、約24cm~約33cmでした。
遠景を撮影したい場合は、クローズアップレンズを外せば良いので、特に問題はありませんが、こういう物だと認識しておく必要はあります。
凸レンズなので、太陽に注意
クローズアップレンズは、凸レンズです。
単品では、虫眼鏡と同じ感じで、日の光を集光すると、煙がでます。
冬場は、太陽の軌道が低いので、部屋に光りが入りやすいです。
クローズアップレンズ単品を置きっぱなしにしておくと、思わぬところで集光して煙りが出る危険がありますので、同梱のケースに戻し、カメラバックなどに入れて暗所保管がベストです。
まとめ
ここまで説明してきた内容をまとめると・・・
1.価格が安い。3,000円でおつりがくる
2.劇的に寄れる
3.レンズFNo.は変わらない(暗くならない)
4.ズーム全域で近接撮影が可能
5.背景ボケがすごい!
安いので、1つ持っておくと、近接撮影の幅が広がります。
寄れないストレスから解放されます。
強烈な背景ボケは、一見の価値があります。
是非、試してみて下さい。
最後までご覧頂き、ありがとうございました。