マキタのボール盤 TB131 といえば、ワークテーブルの昇降ラックが無いクラスでは最も高額な部類の高級機。気になる存在ですが、高額なので新品では買えず。しかも我が家はボール盤がすでに1台あり(イリイTR-307ED)、2台目ということもあり、中古で購入してみました。2台必要?という話はありますが・・・
高級ボール盤として、細部の仕上がりや、購入前に知りたい実際の寸法などを紹介します。
◆この記事で分かること
- 中古ボール盤を買う時に気にするポイント
- TB131の仕上がり(外観、バリの有無、動作、芯ブレなど)
- ネット上に出ていない各部の寸法
- 気になった点と改善策
中古品を買う時に気にするポイント
1.前面のラベル部に、深さ調整機構による傷が無いもの。
2.動作確認がされているもの。
3.チャック以外の本体部分で錆が少なく、見た目が綺麗なもの。
4.販売者の評価が良い。
1.前面のラベル部に、深さ調整機構による傷が無いもの
2.動作確認がされているもの
ボール盤は、コンセントに挿してスイッチONで動作確認は可能なので、それをしていないで出品している個体は、不具合がある懸念があります。通電のみ確認(動作未確認)という表記も良く見かけますが、これも避けたいところ。動作が正常と記載のあるものを探します。
3.チャック以外の本体部分で錆が少ないもの
4.販売者の評価が良い
その他気をつけるポイント
→錆の懸念や砂ほこりがモーター内部入り不具合が出る懸念がある。
→たまに見かけますが、買い取ってもらう相手への敬意が感じられないので避けます。
今回買ったものの外観
前面ラベル部
まず、こだわった前面ラベルの部分。
切り込み深さ指標による筋傷はありません。
錆やバリの状況
支柱やベース部、テーブルは、出品時の写真よりも錆がありました。
テーブル部は、面だしのフライス加工荒取りが荒すぎの感あり。バイス固定用長穴の口もとはバリもあり。
ということで、
- 金やすりでバリ取り。
- 錆落とし液で赤錆を除去。
- 面全体をペーパーやすりがけ。(ココでは水研ぎは×。一瞬で錆びます。)
- アルコール除菌シートで拭き取った後すぐに、ティッシュで水分拭き取り。
- すぐに錆止め剤を塗布して、軽く拭き上げ。
をした結果の写真です。
ドリルチャックは、おもいっきり錆びてました。(出品時の写真と大差無し)
もともとユキワ製の高精度なものと交換する予定だったので、想定内です。
ただ、外すのですが、かなり大変で、2日間あれこれがんばってやっと外しました。
19のスパナ(厚み7.6mm)と、家にあった金具(厚み3.5mm)を重ねて、チャック首元に差し込み、スパナの反対側を金づちでコンコンたたきました。
スパナの差し込む向きをいろいろ変えました。
外したチャックは、錆落とし液でがんばってみましたが、この程度。錆落とし液は、赤錆→黒錆に化学反応で変えるので、黒くなりますが、ちょっとムラだらけで汚い感じに・・・
塗装の状況
クリーム色の塗装については、あちこちはげています。
動作
無事動きましたが、振動が結構大きめです。ベルトを外して、モーター単体を回したところ、静かに回ってます。主軸を手で回す限り、異音は無くスムーズに回転します。振動の原因は、ベルトの曲げクセでした。
1台目のボール盤でも同じ経験があるのですが、今回は、ベルトが小さいプーリーにかかった状態で、長期間放置されていたようで、結構曲げクセが付いていました。
1台目(イリイ製)新品購入時は、プーリ-にかかって無く、ねじれてカバー内に押し込まれており、部分的にねじれたクセが強くついていました。この時は結局クセを直すことができず、別の新品ベルトに交換し、振動を抑えました。
今回は、クセを手で直して中段にセット。ある程度回転させて、エイジングをしたら、数日後には静かになりました。
主軸を上下させた時、軸に垂直な横方向(ラジアル方向)のガタは全くありません。このあたりは優秀です。
芯ブレ
写真のように、Φ7 長さ150mmのSUSシャフトをくわえて、チャック下端から50mm付近をデジタルダイヤルゲージで測定しました。
測定は上部カバーを開けて、手でモーター軸プーリーをゆっくり回します。
チャックはユキワ製13ELMG6JTと同等品(OEM?)という情報もありますが、情報が正しい場合、芯ブレ0.2mm以下という一般的な精度のものです。
実測したところ、【0.13mm】、ん~まあまあな感じ・・・
ちなみに、チャックを外して、主軸のみの芯ブレは、0.01mmでした。
チャックの取付けは、テーパー部分(規格JT6)の圧着になり、プラハンマーでたたき込む指示があります。この取付け再現性が割と微妙で、取付けにより、芯ブレが出たり収まったりします。芯ブレが大きい場合は、ここの取付けをやり直してみることをオススメします。
気になったところと改善策
電源スイッチが押しにくい
電源スイッチは、シリコンゴムっぽいカバーが付いています。これ、とても押しにくいです。なので、取っちゃいました。
黒い枠状の樹脂部品が二重になっており、4つの爪でとまっている構造で、手で簡単に取れました。
取ると、劇的に操作性が改善します。
傷をつける切り込み深さ指標
この指標、ドリルの刃が穴をあける材料に接した部分でゼロリセットできないので、ちょっと使いにくいんですよね。
金属の指標は、使わないので反対側に回転しておきます。
昇降バネのカバーを止めるナット
不用意に外れると、巻きバネが外れて、怪我をする懸念があるので、緩んでいたら締めておきましょう。
※締めすぎるとドリルの上下動が重くなるので、そこそこに締めましょう。
本当はダブルナットにしたいところですが、インチネジなので、入手性が悪いです。
昇降テーブルの上下移動がやりにくい
◆具体的にやりにくい内容
- 上げる時、ひっかかるように動くので、上げにくい。(支柱にグリスを塗ってもイマイチ)
- 固定レバーを緩めると、一気に下に落ちる。
- 高さの微調整が難しい。
チャック交換(芯ブレ0.08mm以下品)
現在ついている、13ELMG6JT(芯ブレ0.2mm以下)相当品に対し、芯ブレ0.08mm以下となります。
注意点としては、サイズが大きくなることです。
長さ 77.5mm→87mm(9.5mmUP)
動かしていても、芯ブレを全く感じません。チャックは高級感もあり、なかなか良いです!
各部の寸法を実測
◎ベース部
バイス固定用穴:左右ピッチ110mm
長穴:12.1×115mm
長穴のフチ付近の厚み:7.7~8.1mm
◎支柱
外形:Φ46.97mm(仕様はたぶんΦ47mm)
厚み:t=1.86mm
支柱取付けネジ:外形Φ7.68(5/16インチネジ ※1)長さ16mm
◎昇降テーブル部
テーブル寸法:横 160mm×奥方向 155mm(中央付近 158mm)
外周リブ厚:22.5mm
バイス固定用穴:左右のピッチ 115mm
長穴 :14.7mm×131mm
長穴付近の厚み:8.3mm~9.3mm
テーブル傾斜回転軸のネジ:外形Φ12.4(1/2インチネジ ※1)長さ30mm
テーブル昇降レバーネジ部:外形Φ9.27(3/8インチネジ ※1)
◎本体部
支柱固定イモネジ:外形Φ7.91(5/16インチネジ ※1)長さ10mm
主軸昇降アームネジ部:外形Φ7.66(5/16インチネジ ※1)
カバー固定ネジ部:外径Φ6.1(1/4インチネジ ※1)長さ12.8mm
・ユニファイネジ(UNC)ネジ山の角度60度
・ウィットネジ(W)ネジ山の角度55度
がありますが、今回使われているものがどちらかは、目視で判断できませんでした。
型番:KK00000034(ベルト記載型番:K28.5)
モーター共振によるカバービビり音対策(カバーのふちにゴム貼付け)は無し。
カバー固定ツマミネジは、袋ナット無し。
デメリットは、上下のカバー板金ケースが片面だけ点接触で固定なので、モーターの振動により、上カバーが共振がしやすくなります。(大きな共振音が出やすくなる)対策として、下側ケースのフチにゴムをつけたりします。
はがれた塗装の修正
完成品はこちら↓
まとめ
◆良い点
- 上部ベルトカバー部が最小限に設計されており、間延び感なくクリーム色も落ち着いていてカッコイイ。
- 主軸の上下可動部に横方向のガタがない。(高精度)
- チャックの規格はJT6で一般的なので、わりと選択肢がある。
- 前面ラベルは金属っぽく高級感があり、全体としてまとまりがあり、所有感を満たします。
◆気になる点
- ネジが全てインチネジ。(無くすと入手性に難あり)
- 他のボール盤と同様に、テーブルなどにバリがある。
- スイッチが押しにくい。(シリコンカバーを外すと改善)
- 傷をつける切り込み深さ指標(使わないので回転退避。)
- 昇降バネのカバーを止めるナットが1個(ゆるみやすいので注意)
本当はダブルナットにしたいが、インチナット入手性が悪そう - 昇降テーブルの上下移動がやりにくい。
製品の品質は、高級機でもバリが多く、ちょっと残念な感じ。
昔の物の方が、テーブル面がなめらかで、しっかり作られているのはヤフオクなどで出品されている写真を見ると分かります。
そんな中で、マキタTB131は良くも悪くも、設計が変わって無く、比較的しっかりできている方だと思います。
バリなどは結構あり、落胆しましたが、穴を垂直に正確にあける為の基本性能は精度、動作ともにあり、現在手に入る家庭用卓上ボール盤では、優秀な部類だと思います。
中古機をいろいろメンテして自分なりに作り上げると、愛着がわいて良いですよ。
最後まで御覧いただき、ありがとうございました。








































